建築の跳躍力 第5回講演:panda・SAYAMA FLAT/長坂常:普段 |
「普段」を包み込むデザイン 執筆者:森田一弥(一級建築士事務所 森田一弥建築設計事務所) |
長坂氏は建築的に明快な主題を見いだしにくく、また商業的にも成立しにくい困難な状況に対しても正面から取り組み、非常に興味深い作品を生み出している建築家である。長坂氏によって音楽のアルバムで言うところのA面/B面のうち「B面の仕事」と呼ばれているそれらの作品が、今回のレクチャーで紹介された一連のプロジェクトである。 長坂氏はまずレクチャーの冒頭において、「普段」というタイトルに並列して「不断」という言葉を提示された。「普段」は、本来「不断」と書かれ、「いつまでも続くこと」という意味から、「いつもの状態であること」「日頃」の意味が派生し、現代では当て字で「普段」と書かれることが多くなった言葉だという。 |
執筆者プロフィール: 森田一弥(もりた・かずや)建築家 /1971愛知県生まれ/1994京都大学工学部建築学科卒業/1997同修士課程修了/1997〜01京都「しっくい浅原」にて左官職に従事、妙心寺、京都御所、金閣寺など文化財建築物の修復工事にたずさわる/2000森田一弥建築工房 設立/2007〜08ポーラ美術振興財団の若手芸術家在外研修員としてスペインに滞在/2008一級建築士事務所 森田一弥建築設計事務所 に改称 |
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□第5回講演: |